すぐ裏の倉庫で火事があり、猛煙の中を逃げた話 


【年末の夜中の2時に大きな音がした】



それは去年の年末、12月28日の夜中のAM2時前の出来事でした。

スヤスヤと眠っていたのですが、突然ドーン!という大きな音で目が覚めました。思いっきり扉を閉めた時のような音だったので、女子大生が夜中に帰って来て、思いっきり玄関の扉を閉めたのかな?等と思っていました。

しかし、次々にドーン!ドーン!バーン!という大きな音が聞こえてきます。

いったい何なんだろう?と思ってベランダに出てみると、黒い煙が上がっていて、何かプラスチックの破片のようなものやいろいろなものが飛んで来ました。


【もしかして、これって火事?】


黒い煙という事は、もしかして火事?と思ったのですが、暢気な私は、「何なんだろうなあ?もう眠たいのにー」と半分寝とぼけながら思っていました。ドーン!バーン!という音は相変わらず鳴り響いています。

とりあえず廊下を見てみようと思って、玄関のドアを開けました。すると、目の前が黒い煙や白い煙で何も見えません。火災探知機が鳴っています。

「えーっ?うそー!何この煙!?これって火事やん!」と初めて、火事であることを確信しました。


【どうやって逃げたらいいの?】


「逃げないといけないよね。でも、こんな猛煙の中をどうやって逃げたらいいんだろう?困ったなー」と思い、同時に「落ち着け、落ち着け!慌てたらアカン!落ち着いて考えるんや!」と自分に言い聞かせました。

もう一度、ベランダから外を見ました。

ここは3階です。
ここから飛び降りたとしたら骨折くらいはするだろうけど、命は何とか助かるかもしれないよなあ、いやいやアカンアカン!飛び降りる以外に方法はあるはずや!などと脳みました。脳みそがフル回転して、良い方法を探し求めていました。

そうや!布団を投げて、そこに着地するように飛び降りたらどうかなあ?布団はパーになるかもしれないけど、布団くらい命と比べたら安いもんや!とも思いました。
しかし、その時私は肩を痛めていたので、布団をベランダの柵より上に持ち上げて、下に放り投げることができないと思って、この方法は諦めました。

あーどうしたらいいんやろう、と思った次の瞬間、「そうや!119番して消防隊員に指示を出してもらおう!」とひらめいてくれたのです。


119番通報して、消防隊員の指示を聞く】


スマートフォンはショルダーバッグの外ポケットに入っています。逃げるならこのショルダーバッグだけ肩にかけて逃げれば、身分証明証やキャッシュカードも入っています。

スマートフォンですぐに119番しました。

「マンションのすぐ裏のバイク倉庫が燃えているけど、どうやって逃げたらイイのか・・・玄関ドアを開けたら猛煙で目の前が見えないんです」と伝えました。

すると消防隊員さんは「えっ?今まだ部屋の中におられるんですか?すぐに逃げてください!」と言います。

私は「だから、目の前が猛煙で前が見えないんです。京アニの火事の時みたいに酸化炭素中毒になるのも怖いし・・・」と言いました。

消防隊員は「しゃがんだら、下の方は煙が少ないはずなので前が見えると思います。ハンカチで口を押えて煙を吸わないようにして、とにかく逃げてください。もしも、しゃがんでも前が見えないようなら、壁に背中を付けて壁伝いにエレベーターの所まで来てください。階段は煙の通り道になってるので、使わないでくださいね」と言われました。

消防隊員の指示通りに、ハンカチで口を押えて玄関のドアを開けて、しゃがみこんで歩きました。その間もバーン!と大きな音が響いています。床には何かの欠片が飛び散っていました。
エレベーターまでは10メートルもないのに、その距離が物凄く長く感じました。1階から何人もの人が叫んでいる声が聞こえました。


【無事に脱出成功!】


エレベーターに乗りましたが、エレベーターの中にも煙が入って来ます。

「早くついて、早く1階に着いて!」と何度も言いながら、イライラしていたら1階に着きました。ドアが開いた途端、消防隊員に「大丈夫ですか?煙は吸っていませんか?ケガは無いですか?」と訊かれました。「ハイ。大丈夫です」と返事をしました。

マンションのエントランスの外には、近隣の人がたくさん集まっていました。
地面には消防のホースが何本もあったので、それを跨いで歩いて、外に出ました。

マンション内の人は実家に帰省している人も多くて、大家さん夫婦とあとは私を合わせても数人くらいだったのですが、野次馬がすごかったです。

婦人警官が、マンションから脱出した人一人一人に名前や部屋番号や生年月日を聞いて回っていました。その間もドーン!バーン!と大きな音がしています。燃えているのはバイク倉庫なので、爆発音がすごかったです。

泡の消火器を使っているので、地面は泡だらけ。

多くの人に「真冬の夜中にパジャマで逃げたんじゃ、寒かったでしょう」と言われましたが、いえいえ、暑かったです。マンション内の廊下を逃げている時も、頬が熱くて少しピリピリと顔が痛かったくらいです。

消火するまでに時間がかかり、煙が落ち着いて安全確認ができるまでは部屋には戻れなかったので、1時間近く道路上で待機していました。どこのどなたか知らないご近所の人が家にあるジャケットやカーディガンなどを持って来てくださって、みんなに羽織ってくれたし、近くで火が燃えているせいか、それほど寒いとは感じませんでした。


【鎮火して部屋に戻ると・・・】


やっと鎮火して、消防署員が「お部屋に戻って休んでいただいて結構ですが、換気扇を回して窓を開けて十分に換気してください」と言われました。そして、婦人警官が「お部屋に戻る人は、お名前と住所と生年月日を教えてください」と言われました。

いつの間にか、歩道に机が置かれていて、その上には大きな模造紙とマジックが置いてあって、消防団の人が一人一人の名前や住所や生年月日を書いていました。
ふと見ると、消防車は10台以上が出動していて、救急車も2台待機していました。

私も名前や住所や生年月日を伝えて部屋に戻りました。

消防隊員が一部屋ずつ中を確認しているので、鍵は開いています。
ベッドにはぬいぐるみを寝かしてたので、消防隊員に見られたかなあ。ちょっと恥ずかしいなーなどと思いつつ、まあ、無事で良かったとホッとしました。

そして喉が渇いたからお茶を飲もうと冷蔵庫を開けようとしたら、白い冷蔵庫が黒い!
冷蔵庫をティツシュで拭いてみると、ティツシュが真っ黒になっていました。ススです。

もう夜中の3時なので、その日はサッと雑巾で冷蔵庫を拭いて、すぐに休みました。

翌朝、髪にもススが付いているかもしれないと思ってお風呂に入ると、浴室の壁も黒くなっていました。そして、お布団や布団カバーやシーツも黒くなっていたのです。
ゲー!何も知らずにススだらけの布団で寝てしまったのかと、ちょっと気持ち悪かったです。

ススが付いた布団を洗うために、旅行用のスーツケースにお布団を入れてガラガラとひっぱって、コインランドリーにお布団を洗濯しにいく羽目になりました。


【出火場所は今は更地に・・・】


火事の原因ですが、詳細はわからないけどバイク倉庫で若者が数人、石油ストーブを付けてタバコを吸いながら大掃除をしていたとのこと。おそらく、彼らの不注意での出火でしょう。

翌日、大家さんの所には若者とその母親が謝罪に来たそうですが、私の所には何も言いに来ませんでした。

普通は菓子折りの1つでも持って、1軒1軒謝罪に来ますよね。

コインランドリー代はどうしてくれるんだ?精神的慰謝料を支払って欲しいくらいなのに、約11か月程たった今、バイク倉庫は更地になっているだけです。

今でも火事のニュースを聞くと、心臓の鼓動が早くなり息苦しくなってしまいます・・・・

去年の年末はとんでもない年末でした。今年はコロナ禍とはいえ、年末は穏やかに過ごしたいと願っています。

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